「わあ......すごい!」
街へ入ると、そこにはまるで100年前のロンドンのような街並みがあった。
建物はレンガで作られ、道路には馬車が走っている。
街を歩く人々はドレスやタキシードを着ていてとても華やかだ。
「素敵!シャーロックホームズの世界みたい!」
「あまり騒ぐな、俺までバカだと思われる」
っ......レオンの言葉に一瞬イラッとしたが、確かに考えてみると私もはしゃぎすぎていた。
「ごめん」
恥ずかしい。
きっとバカみたいな顔してたんだろうな......
私はこれ以上はしゃがないようになるべく下を向いて歩いていた。
「はあ......」
下を向いているとレオンのため息が聞こえた。
彼を見ると
「お前のせいだぞ」
と私をにらんだ。
「え?」
ふと周りを見てみるとたくさんの人が不思議そうに私たちを見ていた。
あ、私が大きな声出しちゃったから.......
どうすればいいの?
違うんですっ!て言うべき?
それとも謝るべき?
恥ずかしいし、みんなの視線が怖い。
どうすればいいんだろう......
私は俯くことしかできなかった。
すると
「もういい、行くぞ」
といきなりレオンは私の手を掴み、早足で歩き始めた。
「う、うん......」
急いで彼の後ろを歩く。
助かった。
慣れない場所ってこんなにも怖いものなんだ......