とりあえずベンチに座って、一息つく。

バレたらどーしよう
バイトやめれって言われるかな
学校いけって言われるかな。

「はぁ…」

「あれ?めるちゃん?」

「あっ、、鳴海さん」

「どーしたの、こんなところで」

鳴海さんは、私に近づいて顔を覗かせる。

「ちょっと、、」

「そっかそっか。じゃあ、行こ」

「えっ?」

そういうと、鳴海さんは私の手を引っ張って歩き始める。

無理矢理引っ張るとかじゃなくて、
優しく私の歩幅に合わせてゆっくりと

向かってるのは、家の方角じゃなく真逆の方向。

「どこ行くんですか?」

「んー?ナイショ」

ちょっと意地悪に笑う鳴海さんは、
かっこよくて無意識に顔が熱くなってしまう。