好きって言わせて

「げっ」

その声は聞き覚えのある声だった。

なぜか新鮮に覚えている。

「なに立ち止まってんの、邪魔」

ああ、なんで

なんでなの?

なんで今日も君がいるの?

「ねえ聞いてんの?」

『あ、ごめん』

綺麗に染めてある赤茶の髪。それを遊ばせていて、かっこいいなっておもった。

正直にあってるなあって思った。

それにダボっと大きなパーカーを着ていてかっこいいのか可愛いのかわかんないじゃんって一人ツッコミをしてた。

「あんた勉強してたしテスト近いんじゃないの」

はい、そうですけど。でも

『君には関係ないじゃん』

私ってこんなに素直じゃなかったっけ?

そして君はクスッと笑って

「まあね、心配してやってんの」

知り合いでもないのになんで心配すんの?

わけわかんないよ

『じゃあ勉強教えてくれるとでも言うの?』

「俺でいいならね」

けどちゃらけてるし教えてもらっても意味なさそう。失礼だけどね。

『勉強できるの?』

「あんたが思ってる以上にできるよ」

そうやってまたクスッと笑いかけてくる。

その言葉は信じていいのかな?

でも赤点回避したいし。

んー

『じゃあ教えてよ』