僕と、野獣系の彼女

「さっきから、ずううっとあんたの名前呼んでるのにっ!

何をぼーっとしてんだ!」

ああ、そうか、僕は

リンのことばかり考えていて

先生に呼ばれたことに、気づかなかったんだ

隣の席で、リュウがクスクスと笑っている

「どうしたんだよ岩田、

今日は遅刻するし、ぼおーっとしてるし

熱でもあんのか?」

レイコ先生のひんやりした手のひらが、僕のおでこに張り付く

「だっ、大丈夫、ですよっ!」

ちょっと、ドギマギする

「...ふうん、熱はないなあ…

まあいい、シャキッとしろよ!」

くるっと踵を返し

ツカツカと、ハイヒールの底を響かせつつ

教壇の方に戻っていく、レイコ先生

うっとりとした表情で、リュウがレイコ先生を追う