「ねー亜胡、私今から部活だけど助っ人くる?」
葵はソフトテニス部に入ってる。
なかなか強いらしく土日休みもあまりない。
「んー今日はいいやー…お先に帰るよ」
つれないなーなんていってぷくーっとほっぺたを膨らませてみせた。
「あ、ブスがもっとブスんなった。」
「ひどーい。あ、時間だ。ほんじゃま、また明日ねー!」
そう言ってカバンを掴んで教室を出ていった。






あ、頑張れゆーの忘れた。





まいっか。



問題用紙を整頓して席を立つ。
カバンのポケットに問題用紙を入れて
教室をでた。




瞬間。






「うわあっ!!」
「え、わっっっ!!」


バターーーーーン!!!


…思わず避けてしまった。
だって。教室から出ようとしたら目の前に人が…

「あのー…すみません、大丈夫ですか?」


目の前に倒れているのは女の子。
いたた…と言ってむくりと起き上がった。


「あ、えと、ごめんなさいっ!その、急いでてっ…」

上履きの色…一年生だ。


「大丈夫だよ、怪我はない?」
「はい、大丈夫です!失礼しますね!」
「今度から気をつけてねー」



走り去っていった女の子。
目くりくりで可愛かったな。





あ、早く帰ろ。


私は靴箱へと足を運んだ。