その次に喋ったのは、展示会のとき。
沢山のメーカーさんが大きなホールに出展して、
お得意先の人をお呼びして商品を見てもらう。
そんな大事な展示会が、うちの会社では年3回ある。
お客様がこない時間は基本的に暇なので、
顔見知りのメーカーさんと話をしたり
決まっている商品があれば商談したり
お得意先の人が探しているものをリサーチしたり
比較的自由に過ごす。
わたしの上司の担当法人の方が来るまでの間、メーカーさんのブースを見て回っていたら戸波さんに遭遇した。
会場はとても広いし、みなさん忙しいから
暇そうにしている人に会うこと(しかも同じ支社の人)は珍しい。
わたしを見かけると戸波さんは寄ってきて、
何してんねん、俺と回る?と言ってくれた。
嬉しかったので、はい、ぜひに、とあまりニヤつかないように気をつけながら必死でボロを出すまいとしていた記憶がある。
たまに商品についておさらいクイズを出されて、
答えて、褒められる繰り返しが楽しかった。
えらいやん、ちゃんと勉強しとるんやなぁ、
そう言われて、もっと励もうとすごく思った。
時折挟まれる雑談もどぎまぎしながらも楽しすぎて、お客さんが来なければいいと思った。
物知りで優しい戸波さんと一緒に回れて
すごく印象にのこる展示会だった。
それがわたしの初参加の展示会の出来事、
昨年の10月のお話。
