戸波さんと初めてちゃんとおしゃべりしたのは、
ある日の残業のとき。
担当法人によって関わるメーカーさんが違うから、
人によって知っているメーカーさんにバラつきがある。
社内にいて、誰かきてもわからん人も多い。
これから関わるメーカーさんもいるかもしらんから、もっと顔見知りさんを増やしたい。
そんな話を戸波さんにした。
戸波さんはちょっとだけ考えて、
ほんなら、俺がおる時は率先していろんな人紹介したるわ、って言ってくれた。
本来ならば、メーカーさんへの紹介は
わたしの上司がするのが筋。
グループもちゃうような戸波さんがわたしを紹介するのは、本当はあまりないこと。
ただ、わたしの上司はあまり気が利かない人で、
関わりがあるメーカーさんさえも最初から
全く紹介してくれへんような人。
やから、たぶんそう言ってくれた。
その後少しだけ世間話をして、仕事に戻った。
世間話といっても、取り扱い商品に対する知識とか、そういう話。
上司が教えてくれないことを、沢山教えてもらえる。
そんな高揚感と、戸波さんと話せた嬉しさでちょっと舞い上がったのをおぼえてる。
