嘘だらけの秘密



年が明けて、しばらくして。

上司のことに真剣に悩んでいる日がありました。

指示下手で、要領の激悪な上司。
大分前から報告・相談をしていても、聞く耳すらもってくれへん。

それでもって、助けてくれなかったが故に他から責められると、ちゃんとしてくださいの一点張り。

そんな上司は、自分の上司にはなにも相談しないし、分からへんことも同僚に聞いたりしない。

孤立して、余計わからんようなって、キレてむちゃくちゃな振り方でわたしに仕事を振ってくる。

代名詞が多すぎて、なにを言ってるかもわからへん。
その上無計画に仕事を振り、おまけに教えてもくれへんから、わたしが周りの人に聞いてなんとかこなす。

そんな毎日が積もり積もったのと、


上司が3つくらい大きなミスを犯して、それらの期限がすべてギリギリで、その日中に始末しなければならない、という日。


上司が発狂した。

立ち上がって、事務所のみんなが見よる前で叫んで、僕には分からないんですよなにも、だれも教えてくれないし、なにもわからないんだからしょうがないじゃないですか!

というようなことを15分近く叫び続けた。


発狂した相手は、上司の間接的な上司にあたる人やったからまだしも

自分の上司が発狂している様をデスク挟んだ向かいで目の当たりにして、

本当に恥ずかしかった。


心底消えたかった。

息をするのも苦しくて、なんでこんなわけわからん人が上司やの?って泣きたくなった。


もう顔も見たくなくて、キレそうで、泣きそうで、自分自身わけわからんくて、その後は定時まで1回も話しかけんと、

定時になった瞬間お疲れ様です、とだけ言って速攻帰った。



ちなみにその日、事務所に戸波さんはいなかった。