いつものように放課後を迎えると、私は今日もあの図書室へと向かった。


少しでも家にいる時間を減らすための寄り道。いや、拠り所っていうのか。




……あの家に帰りたくない。


そう思うようになって、もう何年経つだろう。



指定席について、私はカウンターに肘をつき外を見て、しとしとと降り注ぐ雨に思わずため息をついた。



今日は悪夢を見たからだろうか。深い眠り、質の悪い睡眠だったこともあり、一段と眠い気がする。



ここでうたた寝をするのが有意義な時間だったけれど、きっと今日も懲りずに彼はやってくるに違いない。


だから安易に居眠りすることができないのだ。


誰かに寝顔を晒すなんてこと、絶対したくないから。