「いいなー、藤咲さんと同じクラスで、しかも隣の席のヤツ。
俺よりも長い時間、藤咲さんをこんな風に見つめれるじゃん」



言いながら、尾崎くんは頬杖をついて私の横顔を凝視してくる。



「いや、平川くんはそんな見つめてこないから。てか、私に興味な……」



「他の男の名前なんて聞きたくない」



「…………」



本当のことを言っただけなのに、全部言う前に遮られた……。


もういいや、説明するのもめんどくさい。



「俺も藤咲さんと同じクラスがよかった。そしたらこの時間だけじゃなくて、授業も、休憩のときも、一緒の時間を共有できたのに」



「いや、私基本一人行動がいいから……」



「でも俺は藤咲さんが好きだから、こうやってくっつくよ」



そう言って尾崎くんは、わざと椅子を近づけてぴっとりと私にくっついてきた。