「じゃあ、どうしたら信じてくれる?」



拗ね口調な彼の言葉が胸にのしかかる。



どうして私に信じてもらうことを望むの?


普通はそこ、怒るところでしょ?呆れるところでしょ?


はあってため息ついて、出て行くとこじゃないの?



「言葉でダメならいいよ。こうする」



彼は私の手首を掴んだまま、器用にも反対の手で自分の制服のブレザーを脱いで、シャツのネクタイを緩めた。



筋の通った首筋から鎖骨。そして逞しい胸板がチラリと覗く。



ちょ、ちょっと待って。


いったい何する気……!?



「触ってみて。俺、超ドキドキしてるから」



「……はあ!?」



なんと尾崎くんは、自分の左胸に私の手を当てがおうとしていた。


男性……とういうか、人間との関わりがそもそもないと言っても過言ではない私にとって、彼の行動は刺激が強すぎた。