授業も終わり、放課後。

友達の恋の話を聞いている。

「早く彼氏が欲しいー!」

「甘えたいー!」

「ちゅーぷりとか撮ってみたいよねー!」

私だって彼氏は欲しい。

甘えたいー!とか言ってみたい。

恋してみたい。

だけど実際そんなに上手く甘えられるわけがない。

彼氏など、私は既に諦めている。



「ねぇ、駅の近くにある美味しいパンケーキ屋さん、
行ってみない?!」


という訳で私は今、甘くて美味しいパンケーキを頬張
っている。

最高に幸せな気分だ。

食べることは大好きだ。色んな物が満たされていく気
がする。

「はい、ウェットティッシュ。」

「ありがとう!気が利く~!」

ずっと口元にクリームが付いているんだもの。

言い方はきつくなってしまうけれど、恥ずかしくない

のかな。それとも私が気にしすぎなだけ?



「「「ばいばーい!また明日ねー!」」」


帰り道の電車に揺られながら、窓に映る私の髪の毛

が、ボサボサなことに気がついた。

周りを見回して、皆携帯を弄っているのを確認した

ら、さっと髪の毛を整えた。

誰も私の事など見ていないのはわかっている。

ただ、なぜか周りの視線や行動が人一倍気になってし

まう。

自意識過剰になってしまう。

「はぁ…」

そんな自分にとても疲れる。


「ただいまー」