彼の嘘 彼の本音

彼、田村　藤真君は、かなりなイケメン君で、


成績も優秀、スポーツも万能、硬派で、落ち着いてて、


うちのクラスにいる男子みたく騒がしくなくて、


それでも周りに自然と人が集まってて、


なんていうか、ほんとにすごく完璧な人。


あたしが初めて彼を知ったのは、入学してから少し経った頃にあった野外活動の時。


夜、先生の目を盗んで、同じ部屋にいた女子達に誘われて男子の部屋に遊びに行った時だった。


先生の見回りで、慌てて散らばって何人かのクラスの女子と、他のクラスの男子の部屋に隠れた。



「ん？お客さん？」


同じクラスの男子でさえまだ全然顔がわからないのに、


他クラス男子なんて、余計わかんなかったあたし。


「なに？遊びに来てくれたん？」

「可愛いーね。なにちゃん？」

「あれ？おんなじクラスだっけ？」


次々に話されてなんの返事も出来なくて、


それは他の女の子達も一緒だったみたいで、


困っていたあたし達に、


「質問多すぎ。」


そう言って、あたし達を助けてくれたのが、田村君だった。