彼の嘘 彼の本音

「だからだよ。」

「え?」

「夢に声をかけたのは。」

「え、…。」

「優しい子なんだな、って思った。
助けられた人が笑うより、夢が、いいよって、笑った顔のが印象的だった。」

「…そ、だったかな。」


藤真君があたしを知ってたなんて、その事に嬉しさが募る。


「俺さ、知ってると思うけど口下手だし、聞き役のがいいし、女といるより男連中といた方が楽だし、」

「…ん。」

「でも、なんでだか気になった、あん時の笑った顔。
俺の後、追っかけてるのが可愛くて、話す声も心地よくて、あんまり話さない日は気になった。」

「…、」

「なんでだか、夢には自分から話したくなった。」

「…っ、」

「俺、鈍感らしいから。
だから、これからはもっと夢の事見てないとって思った。」

「…藤真君。」

「誰かのために動ける夢じゃなきゃ、そう思わなかった。」

「…、」

「夢だから、声をかけようと思ったんだ。」