彼の嘘 彼の本音

「…おはよー、夢。」

「あ、玲奈ちゃんっ。」


女の子達に詰め寄られるあたしを、登校して来た玲奈ちゃんが眉をしかめて見ながら言った。


ここでもやっぱり物分かりのいい玲奈ちゃんは、

 
「ちょっとー、夢、病み上がりなんだから気を使ってよね。」


そう制してくれて、


「玲奈は知ってたの?!
ほんとに付き合ってんの?」


なんて聞かれて、


「…知ってた。
付き合ってるよ。ね?夢。」

「え、あ、うん。」

「イケメン君のベタぼれ彼女なんだから。」

「ちょっ、玲奈ちゃん、」


女の子達の悲鳴が響き渡り、

玲奈ちゃんの発言も含め、お昼の帰り時間には学校中に知れ渡っていたみたいだった。