藤真君の発言に、教室にいた女の子たちの悲鳴を響き渡った。


「…うるせ。」

「無駄にデレるからでしょ。」

「…。」

「皆いるとこでイチャイチャすると、夢が困るの。ね、夢。」

「え、いや。」

「ははっ、夢。また真っ赤。」

「…だって、」

「…可愛い。」

「っ!も、う、…っ、」


「イチャついてないで、帰りなね。」


呆れた顔して玲奈ちゃんが手を振って教室を出ていった。

手を振って見送ったあたしに、


「支度出来た?」

「ん。」

「じゃあ、帰ろ。」


そう言って、あたしの手をとり、教室を後にした。

手を繋いで歩くあたしたちを、まだ信じられないかのような顔で見る人たち。

藤真君は全く気にしない様子で歩いていく。

あたしのペースに合わせてゆっくり歩いてくれる。