「はぁ…」
休憩室で休憩中に出てしまった、ため息。
結局、何もしてない。
言えていない。
とりあえず、餞別で個人的に渡すお菓子は持ってきたけどー…
鞄の中から、お菓子を出す。
渡す時間があるのかー…
今だって、皆に捕まってる。
最後のお別れをしている。
もしかしたら、もう二度と会えなくなるかもしれないのにー…
「…何してんだ?」
「!」
お菓子を握りしめ俯いていると、声を掛けられた。
「あ…」
その声の主は、このお菓子を渡したかった人。
「フロアにいないと思ったら、ここにいたのか。俺そろそろ行かないといけないから、挨拶しにきた」
ドクン!
もう行くの?
「色々ありがとうな。頑張れよ」
お別れの挨拶をしてー…
「じゃあ…」
「あの!」
ダメだ。
このまま終わるのはー…
会えなくなるかもしれない。
「これ…今までありがとうございました」
手に持っていたお菓子を渡した。
「あぁ…ありがとう」
受け取ってくれた。
後はー…
"好きです"



