「安達君は初心者です。
お嬢様だけではなく、他の女の子も守らないといけないのに、一人で大丈夫でしょうか?

僕は本当に体調が良くなったので、ひっそりとでもついていきたいです。
どうか誰にも内緒で、車に乗せてください。
特に田中さんには内緒で」

と頭を下げた。


中堂さんは最初驚いた表情を浮かべて考え込んでいたけれど、

「確かにそうですね。
安達君一人には荷が重すぎます。

では、これはわたしと森下君、2人の秘密ですよ?

明日、早目に来てください。
一番後ろの目立たない席に乗ってもらって、それから荷物を詰めますね。
きっとばれません」

目元の小じわを優しくしゃりとさせて、何故か頭を撫でられた。
そんな年でもないんだけど。
でも嫌じゃない。