「あの、田中さん……」

食い下がってみたものの、田中さんには宥められ、安達君には鼻で笑われた。

「ふんっ! 安心しろよ、森下。
俺がしっかり凛を守ってやるから」

「……はぁ」

とは言っても、素直に凛を安達君に任せられるわけがない。

俺は部屋に戻るフリをして、こっそり佐藤さんを呼び出した。
「何かあった時のために」と、携帯番号を交換しておいてよかった。

明日は皆で遊びに行く予定になっている。その相談をした。
彼女は「分かったよ」と、笑ってくれた。

その後、車を磨く中堂さんにも会いに行った。