次の日からは忙しかった。

田中さんから社宅の使い方や食事の時間などのルールを聞きながら歩いて、屋敷にも行って「一通り覚えてくださいね」と、案内された。

一緒に食事をとったほかの使用人の顔と名前を覚えたり、細々としたことを教えられたり。

で、昼を食べたかと思ったら習い事。
しかも2つで、夕方までみっちり詰まっている。

中堂さんが車を出してくれて、ありがたく乗せてもらう。

「慣れない町で慣れない生活に習い事、大変でしょう?
何かあったら聞きますからね」

「ありがとうございます」