広大な敷地と豪邸を見ながら歩いていると、中堂さんが歩を止めた。

目の前には小さな校舎のような建物。
屋敷の奥で、影になってはいるけれど、施設より大きい。

「ここです」

玄関で靴を脱ぎ、出してもらったスリッパを履いて、部屋の説明を受けながら歩く。

一階は生活スペースで、食堂や談話室があった。
二階はそれぞれの部屋で、規模はともかく作りは施設と似てるんだな、なんて思った。

「森下君の部屋はここです。
はい、鍵」

早速出された鍵を差し込んでみる。

「……ホテルみたい……」

「気に入りましたか?」

「あ、はい……」