座って緑茶で喉を潤していると、話しかけられた。

「森下君、聞いたわ。
本当に、良いの……?」

「……仕方ないです。
いつまでもここのお世話になるわけにもいかないし……。
出ていくのが早まっただけだと思うことにしました。

お金出して貰えて、学校行けたり色々習えるんならまぁいいかなって」

「……そう……」

奥さんは何か言いたげにしていたけど、黙り込んだ。
俺は喉を潤してそれから部屋に戻った。

「翔護兄、おやすみ……」

「おやすみ、兄ちゃん……」

「うん、お休み」

同じ部屋の子達をいつものように寝かしつける。

この作業も今日でおしまいか。
温かなぬくもりをもう一撫でして、それから自分もベットに入る。

人生って何があるかわかんないな、なんて思いながら眠りに着いた。