そのドレスのセンスが認められ、爆発的な人気を博し、注文が殺到。
その後作るドレスはどれもこれも飛ぶように売れて、大盛況。

元々は小さな会社の名も無きデザイナーが、瞬く間に世界の注目の的。
一気に成り上がって、ちやほやされるようになった父親は、傲慢になったんだとか。

それまでは優しい普通のお父さんだったんだよ? なんて凛は言うけど、俺はそのときを知らないから、嫌な奴としか思えない。

ま、とにかくドレス1枚で人生が変わったんだな、あの男は。
それに凛と母親は巻き込まれた。

小さなアパートで慎ましく仲良く暮らしていたはずなのに、突然の豪邸住まいに使用人。
電車通学が、運転手付きの黒塗り高級車への有無を言わせない変更。