凛を含め、女子4人の警護か。
ちょっときついかな。

ただでさえ混雑しているし、花火を際立たせる為に周囲の灯りは必要最低限な夜の闇の中。
そんな中で俺一人での警護には、流石に不安がある。

凛専属だからって、凛だけを護れば良いってことにはならない。

凛と行動を共にする皆も、俺は護らなければならなくなる。

どうしようか、と考えているときだった。

「よしっ! 俺も行くからなっ」

……。あ、ぴったりな人材が自ら手を挙げた。
仮にも、俺の執事としてのバーターである安達くん。

目当ては凛の浴衣姿だろうけど、着いてきてくれるのなら心強い。
俺はこの時初めて安達くんに感謝の気持ちを持った。

くすくす笑っていると

「どうしたの? 森下くん?」

凛が不思議そうにこちらを見つめていた。