「すごいな森下君、短期間の内にこんなに情報が!
君に頼んでよかったよ!

僕も仕事があるからなかなか調べたりできないからね、助かるよ!」

元木さんはメモをとっていた手を止め、嬉しそうに俺に笑いかける。

「はぁ……。
お役にたてたならよかったです」

こんなことで、しかも元木さんに褒められたところで嬉しくも何ともない。

「うーん、しかし残念だなぁ。

実はね、あの男の一番の弱点はお嬢様だと思っていたんだ。
まぁ、以前は家族ぐるみで付き合いがあったから、多少心苦しいけど……。

凛ちゃんを怖がらせたり最悪攫ったりして、あの男を焦らせて一泡吹かせようと思っていたんだけどね……。

どうも今聞いた感じ、変わってしまった傲慢男とは違って、凛ちゃんは変わることなくいい子らしいし、今の傲慢なあの男には、そんなことしてもあんまり効果がなさそうだ」