翌朝、凛達は中堂さんの運転で、遊びに行くことになっている。
女子4人と、護衛に安達君の5人だ。

俺は皆が乗り込む前に、いつもより大きな車の後部座席に乗り込んだ。

「おはよう森下君。さ、早く一番後ろの席へ」

屋敷から誰にもばれずに、しかも一番厄介な田中さんにばれずに出るのは苦労したけど、どうにかなった。
きっと風邪で部屋で休んでいると思っているだろう。

「じゃあ森下君、荷物を載せますよ」

「はい、お願いします」

一番後ろの奥の席に俺が座ったことを確認した中堂さんが、俺の隣の席に荷物を積んでいく。

「よし、こんなものですかね。
お嬢様方には、前から詰めるようにと申し上げておきますので、多分バレないと思います。

森下君、大丈夫ですか?
圧迫感などありませんか?」