ただ、好きでした

♪キーンコーンカーンコーン♪


17:00のチャイムが鳴る。


その瞬間部活組は片付けを始める。


「部長お疲れ様でした〜!」

「お疲れ様〜!」


部員を全員返した私は一人

今日の内容をメモする。


さっきまで音の世界にいたはずなのに


汗っぽい匂いが充満した部屋の真ん中で


一人音のない世界に入る。


----ガラガラガラガラ----

ドアの開く音

「お疲れ様。」

大好きな人の声。

疲れ切った顔が一気に吹き飛ぶ


「先生ー!」

私は走り木ノ下先生の胸に飛び込む。


「おいおいおい。お前はいつも元気だな。」

「先生に会いたかったんだもーん」

「はいはい。ほら、早く支度して帰れよ」

「ぶーっ。分かったよー。あ、でもまだ日報書いてないから」

「そんなのは家でしなさい。先生からは伝えてあげるから」


「けち。」

「今なんか言ったか?」

「何も。」

私はそう言って支度を始める。


「チーーース!」

「おぉー。槐太おつかれ。早くお前も帰れよ」

「こいつ待ちだよこいつ待ち」

「え、約束したっけ?」

「いいから帰るぞー。」

「あ、うん。じゃーね先生!」


「気をつけてなー」


教室を出ようとした時

私はもう一度振り返った。


先生は私を見ることなく

備品の整理をしていた。