「分かってるよ…」


『恋もこの十数年生きてて、ろくにしたことないしな』


「よ、余計なお世話よこのストーカー神め!!」


『ストーカーとは人聞き悪ぃぞ?』


「でも記憶を失っていく中どう楽しめって言うの?」


『毎日、日記をつけるんだよ。それで毎朝復習する』


「となると、復習する量は増えてくんだね」


『そうなるな。これからこの記憶障害とも付き合っていくしか生きる方法はなかったんだから文句は聞かないぜ』


そう言ってノートを手渡してきた。


『ここにその日の出来事を1日1ページ書け。退院と蘇り記念のプレゼントだ』


「蘇りって良く聞こえないしなんだか、死神みたいじゃない」


『嘘じゃないじゃーん』


「はいはい、そーですね?」



まったく、ミヤときたら。