母と兄がまもなく駆けつけ、死んだ私を見て泣き崩れた。


反抗期真っ只中だった兄も今ばかりは、


涙を堪えられなかったようで、母を支えるようにして


自らも泣き崩れてしまう。


父のいない3人暮らしの家族からまた1人居なくなっては


心が折れてしまっても仕方がない。




私の母と兄を背中を撫でようとする手は虚しく


2人の背中をすり抜けた。



_____本当に私は死んだんだ。



急に、実感が湧いてきた。




突然の不運と片付けられた事故による死を迎えて。


神様は意地悪だ。



『そうだよ、意地悪なんだよ』



どこからか、少年のような声がした。