沙羅side



「沙羅…。私の腕を見て、ほんとにすごく大変だったんだから…。」












蘭を悠奪還作戦の間、見ていてくれた藍羅さんの右腕、左腕は












咬み傷と引っ掻き傷とで無惨な状態になっていた。












その原因と思われる蘭は別途の上で布団にくるまる怯えていた。
















「蘭?大丈夫…。私は帰ってきましたよ…。大丈夫…大丈夫…」
















私はまるで赤子をあやすように、そっと蘭を抱き締めた。















同時にこうも思った。















弟がいたらこんな感じだろうかと。
















「沙羅…?ぅぅっこっ怖かった。また、置いてかれたんじゃないかと思って。っっぅぅ」
















やっぱり、こんな不安定な蘭を置いて、作戦には参加すべきじゃなかったと後悔した。
















「置いていったりなんて絶対しません。」
















この時、私はある決心を固めた。














蘭を哀堂家に養子として迎え入れようと。















「私はあなたを絶対守ります。」