そう聞いていたので、奥の部屋へと向かった。













「あの、一番奥の鉄扉のところだよね。」












麗がそう確認してくる。













そう、白い内装に似合わぬ扉がひとつ施設の最果てに…。














走って向かおうとするが両サイドからフラっと
焦点が合わない男達が、現れた。












明らかに常人ではない男共は低い唸り声をあげながら迷わずこちらへ向かってくる…。














「ヴゥ…ヴァァァア!!!!!!」












行きなり走り出したと思えばそのまま突進してくる。














「突破したら迷わず奥の扉へ迎え!!!!一人でもいい!!!!兎に角あの扉の向こうへ行くんだ!!!!!!」













俺はそう言って沙羅と麗をみた。














二人とも頷いて、それぞれの相手をした。














俺も他のことを気にしている余裕が持てない程、厄介な相手だった。













薬かなにかで痛みを感じにくくしているのか、殴っても殴っても向かってくる。












首の後ろの部分を強く叩き気絶させるしかなかった。












それを確認した沙羅と麗も同じように対処していた。












俺が早めに決断したのが功を要したのか、俺が一番に突破した…。













バンッ











「おやおや、これは愛哀乱舞の総長。ようこそ、我が城へ。」














そこには、冷徹の仮面を被らずして冷徹な顔があった。














そして、目を塞ぎたくなるような状態で裸体の悠がいた。
















俺は悠にすぐさま駆け寄った。














「その子はもう耳も辛うじて聞こえている程度ですし、声ももう出すのは難しいですよ。」















隣でハハッと笑う進藤 唯。殺したい…。















人間をはじめて本気で殺したいと思った。















俺は進藤唯が座っているアンティークのデスクに万年筆がのっているのを見た。














動脈を刺したら死ぬだろうか。















刺せるものならなんでもいい。














ブッ殺してやる。
















「ゆ、き。」














俺の愛しい人の声。
















「悠!? 喋るな。辛いだろ?辛くないはずないよな。迎え遅くなってごめんな。」















この時、俺は進藤唯に背を向けていた。














悠がいきなり俺を突き飛ばした。















悠の左足にはナイフが深々と刺さっていた。














悠は見ていたのだ。













俺の後ろの光景を…。













「てめぇ、殺してやる…。」














そして、顔面に一発当てて進藤唯が床に仰向けに倒れ、

その上に俺は股がりそのまま殴り続けた。















「優喜!!!!!!やめろって!!それ以上やったら死んじゃう!!!」













誰かが俺を止める…。














邪魔だ。














“死んじゃう”だって?俺はこいつを殺したいんだ。