暴走族の姫 Ⅰ




こんなに気持ちいいものがあるなんて知らなかった。



風も。人も。建物も。私の汚れているものも。

全て洗い流してくれそうで。


悠「気持ちいい。」


バイクは大きい音を放っているのにそんなのは全然気にならない。


???2「気持ちいいよね!わかるよ!でも、珍しいね。大抵の女の子はみんなこの速さ怖がるんだけど。」


これが、怖いなんて恵まれてる。



私の怖いものはもっと、ずっと黒くて寒い。



???2「もうすぐつくよ!」