暴走族の姫 Ⅰ

そもそも、どこへ行くって言うんだ。


しかし、そんな私の抵抗も虚しく、


担ぎ上げられて、バイクの後ろにのせられた。


「君、軽いね。」


何か、感づかれただろうか。


施設での食事は1日1食おにぎりかパンだけ。


通常の人の体重よりやはり私は軽いはずだ。


しかし、その男はそれ以上なにも聞いては来なかった。


それよりも何よりも、バイクで走るのが気持ちいい。