暴走族の姫 Ⅰ

駅を出ると物凄い音が聞こえた。


ブォォォォン


バイクがけたたましい音をあげて私を通りすぎた。


と思ったら、逆走してきて私の前に止まった。


そして、バイクを降りて、メットを取った。


「ねぇねぇ、おねーさん!これから僕楽しいところに行くんだ!一緒にいこっ!」


メットの下は、髪の毛がフワフワの男の子だった。


髪の毛の右横には、金の龍がついたピンをつけている。


初めて見た。龍のピンなんて、始めて見た。


(ていうか、誰?)心の中で疑問を抱いた。


「無理です。」