【尚斗said】

本当に結衣ちゃんは不思議な子だな


実は僕は結衣ちゃんのことちょっと疑っていた


確かに他の子と違ったけど、もし結衣ちゃんが僕の過去を知ったら…


でも、桐人は気に入ったみたいだし仕方ないという気持ちで姫にすることに賛成した


結衣ちゃんは姫になった後も僕たちのこと深く聞いてこないし下っ端とも徐々に打ち解けていった


それを見て結衣ちゃんなら僕の過去を話してもいいと思った


それにこのまま結衣ちゃんに隠しているのも正直限界だった


だから僕は結衣ちゃんと二人きりになる機会を狙い過去を話した


僕は気休めの言葉を言うと思い覚悟してたけど


返ってきたのは


結「尚ってバカだね」


思いがけない言葉だった


「え?」


予想外すぎてつい声だしてしまった


結衣ちゃんはその後も言葉を続けた


結「だって今の話だと尚は何も悪くないじゃん。ただ、晴と性格が違っただけでそれを他の人たちが偏見で見てただけでしょ。それに、尚は晴のために性格変えようと努力して今もそれを維持している。それってすごいことだと思うよ。だから辛くなる必要も罪悪感を抱く必要もないよ」


って言った


正直嬉しかった


今までそんな風にいってくれる女子はいなかった


その言葉で俺は今までの肩の荷が下りた気がした


この時僕はある気持ちに気づいてしまった


どうしよう。僕結衣ちゃんのこと好きになっちゃったかも


多分桐人も好きなんだと思う


だから僕は好きになってはいけないのに


でも、結衣ちゃんは彼氏がいるわけではない


ただ、僕たちのお願いを聞いて姫になってくれた


つまり、まだ僕にもチャンスはある


なら、これからアプローチすればもしかしたら


桐人、ごめん。


僕、桐人と同じ人好きになっちゃった


だから、これからは恋のライバル


僕全力で戦うからね?


僕は桐人に過去話したことをメールした


その後買い物を済ませ結衣ちゃんと一緒に屋上に戻った


【尚斗said end】