刑務所に着き


手続きをして


面会室でお母さんが来るのを待った


しばらくすると


ガチャ


お母さんが入ってきた


桜「結衣、慶。無事だったのね」


慶「…あぁ、まぁな。母さんは少し痩せたんじゃねぇか?」


桜「…そうかしら?変わってないわよ」


お母さん。笑顔だけど少し痩せてると思う


それにちょっとやつれてる感じがする


桜「それで、二人がここに来た理由は?ただ、様子を見に来た訳じゃないでしょ?」


慶「ちょっと気になることがあって。母さんは三国を潰して相原組を結衣に継いでもらうって言ってたけど、なんで相原組にこだわったんだ?組を継いでほしいなら三国の方がメリットあったはずなのに」


慶にぃがそう言うと


桜「……それは……」


お母さんは口ごもってしまった


桜「……実は私は三国組も相原組も潰そうとしてたの」


慶「は?どっちも?」


お母さんの言葉に私も驚いて声が出なかった


桜「ほんとはあそこで二つの組を潰して結衣には私の会社三国グループを継いでもらおうとしたの」


それだけのためにあんな抗争をしたの?


「だったらお父さんと話して私が三国グループの次期社長にしてもらえば良かったんじゃないの?」


桜「もちろん話したわ。でも賢人さんは“結衣には喧嘩の才能があるし慶より強い。それに慶は人を引き付ける才能があるし経営に向いているから結衣が組長で慶が社長の方がうまくいくだろう”って言って話を聞いてくれなかったの。どうしようか考えてるときに相原くんから三国組を潰す計画を聞いてそれを利用して相原組も潰したら結衣に三国グループを継いでもらえるって思ったの」


つまり、お母さんは私に会社を託したかったってことだよね


「…だったら、私たちに話してくれれば良かったのに」


桜「結衣達に?でも、そんなこと話してもどうにもならないでしょ?」



「そうでもないよ?もし、私が三国グループを継ぎたいってお願いしたらお父さんも慶にぃも許したと思うよ。だって二人とも私には甘いからね?」


桜「慶はともかく、賢人さんが認めるとは思えないわ。私の話し聞かなかったんだもの」


「お母さん、抗争しなくてもいくらでも対処法はあったはずだよ」


桜「…ええ。それは今なら分かるの。あの時は賢人さんと話した直後で冷静な判断が出来なかったのよ。自分でもバカなことをしたと思ってるわ」