闇を抱える蝶と光輝く龍

「それと…」


私は少し間をおいてから話し始めた


「ごめんね。陸とは付き合えない」


私がそう言うと陸はうつむいてしまった


「私は陸の仲間との時間を大切にしているところや本を読んでいる姿好きだよ。でも、付き合ってしまったら私を優先してしまって本を読む時間や仲間との時間を奪うことになる。そんなことはしたくないの。これからも陸には仲間との時間を大切にしてほしい。だから、陸とはこれからも仲間でいたい。これが私の答え」


陸はうつむいたままなにも言わない


「陸、今ので分かったと思うけど、私と陸の物語の結末は友情エンドだよ」


そう言うと陸は顔を上げた


驚いた顔してるな


「陸がこの本を私に渡した理由は告白の答えを聞くためともう一つあったんでしょ?」


私は陸見ながら続けた


「私と陸だったらどんな結末になるか、知りたかったんだよね?」


「この本の主人公とヒロインは私と陸に似てる。だから、陸も主人公みたいに自分の気持ちを伝えたらどうなるのか知りたかった。違う?」


そう言うと陸は長く息を吐いた


陸「…結衣にはお見通しだったって事か。そうだよ。この本を読んで俺の場合はどうなるかなって思った。結衣が俺の事意識してないのは分かってたけど、望みがない訳じゃないから少し期待してたけどやっぱりダメだった」


陸…


陸「結衣、ありがとう。思ってたのとは違ったけどいい感想聞けてよかった」


「ううん。私はなにもしてないよ。陸これからも仲間としてよろしくね」


陸「…うん」


私は陸が頷いたのを見て私は陸の部屋を出た


陸「結衣、自分には素直にね」


ドアが閉まるとき陸がそう言った気がした


自分には素直に?


私って自分に素直じゃないかな?


それとも陸には素直な人に見えてなかったとか?


陸の言葉の意味はこのときはまだ分からなかった