「じゃあ、私帰るから」


そう言って帰ろうとすると


暁「ちょっと待って」


暁斗さんが私を引き留めた


暁「葵、この子連れてくときフードとかで顔隠した?」


ん?


引き留めたのになんでこの男に質問してるの?


葵「いや、連れてくときはしてねえな。でも、なんで?」


すると暁斗さんは「はぁ」と言ってから


暁「お前がしっかりしてねぇからこの子が葵と一緒にいるところ他の族に見られたらしくて二人目の姫って噂がながれてるんだよ」


は?なんで一緒にいただけでこうなるの?


咲「ヤバイな。そうなると、これから狙われる危険が高くなるな」


陽「夢蝶のってなると余計に危ないよね」


夢蝶ってそんなに有名なの?


葵「…仕方ない。結衣、悪いがお前には強制で夢蝶に入ってもらう」


「はぁ!?強制っていきなりなんで?」


咲「二人目の姫って噂が流れている以上お前を一人にするとたくさんの族に襲われる」


「大丈夫。私は強いから、自分の身は守れる」


葵「それだけじゃない。夢蝶の姫となると誘き出すために家族を拐ったり、友だちを拐ったりしてくる族もいる。だから…」


はぁ。しょうがない。ほんとは言いたくないけど言うしかないか


「…私の家、三国組だから家族の心配要らないし、友だちはずいぶん前にいなくなったから問題ない」


そう言うと


葵「あーー!だから10人の男相手に余裕で勝ててたのか」


陽「スゴーーい!結衣ちゃんかっこいい」


咲「三国組って世界No 1の組じゃねえか」


暁「名前聞いたときなんか聞き覚えがある名字だと思ってたけどこれで納得した」


なんかそれぞれ個性あるリアクションだな


「だから守られなくても平気」


咲「じゃあ、その実力見せてみな」


「は?」


咲「葵はお前が10人の男相手に余裕で倒したところを見たかもしれないが俺らは見てない。だから、本当に強いなら夢蝶の誰かと戦ってその実力を見せてみろって言ってるんだ」


なんでそんな面倒なことしなきゃいけないの?


暁「…そうだな。その力によっては姫じゃなくて幹部候補になる可能性もあるしな」


まぁ、姫になるよりマシなら


「…いいよ。その代わり相手は強いやつにして。弱かったら入らないから」



咲「分かった。じゃあ…幹部候補で一番強い拓《たく》にやってもらうか」