嘘…


なんでお母さんがあいつの味方になってるの?


私は堪らず歩き続け


「お、お母さん…」


お母さんが見えるところまで出た


私が出てきたことにみんなは驚いていた


でもそれよりも私はみんなの姿みて


「桐人達と慶にぃ達怪我してる。お父さん、撃たれたの?」


その時、胸がチクッとした


この感情、前にも感じたことある


なんだっけ?何て言うんだっけ?


私は頭をフル回転させた


その時、いままでの事がフラッシュバックした


『楽しみにするのは構いませんが、その前に期末試験があること忘れないでくださいね?』


どんな時も冷静でお兄さん的存在でみんなのまとめ役の舜


『ねぇ!尚、ゆーちゃん。ゲームやろう』


元気な笑顔でいつも周りを明るくしてくれる可愛い晴


『結衣ちゃん、足怪我したでしょ?僕が代わりにやるから結衣ちゃんはみんなのところに戻って』


優しい笑顔で周りの変化にいち早く気づいてすぐに行動に移せる尚



『…結衣と初めての旅行だからなにか思い出になるもの渡したくて』


普段は口数少ないけど仲間との時間を大切にしていて、本読むのが好きな陸


そして…


『お前が何に悩んでるか分からない。が、俺らはお前を守りたいって思ってる。噂が収まるまででもいい。だから頼む。俺たちにお前を守らせてくれ』


俺様で強引だけど、誰よりも仲間を大切にし、私の事を一番気にかけてくれて、守ろうとしてくれた桐人


みんなとの思い出が蘇り、そして失われていた感情も蘇り始めていた


あ、そうだ。この感情は、“悲しい”だ。


傷ついたみんなを見て私は悲しかったんだ


私はそう気づきだんだんみんなを守れなかった悔しさが込み上げてきて


「みんなバカじゃないの!?なんでここに来たのよ!手紙読んだんでしょ?私は助けを望んでない。今のうちに早くここから出てって!」


みんなを守れなかった悔しさと罪悪感が混ざりあって私の心はぐちゃぐちゃだった