『リサ〜リサ〜!!!!!!』



『居るなら返事して〜!!!!!』

































































寒い。











どんどん気が遠くなっていく。



















私、死ぬのかな?










































『ねえ、きみ。』























低くて洞窟に入ったかのような独特な声。















ぼやけた視界にうつったのは











生きてるのか疑うくらい真っ白な











とても綺麗な男の人だった。













































































































目を開けると





















山小屋だった。
































そして、心配そうにのぞき込む彼がいた。





















「うわっ!!あれっ、あ、え?」










































『遭難したみたいだね。大丈夫?』






















この人は












なんだろう












とても不思議だ。












初めてあったはずなのに












彼の深い深い闇に触れている気がする












彼には何かがある気がする。













彼の何かを知っている気がする。


































































『あ、僕はキムテヒョン。』




























そう言って微笑む貴方に











不覚にも安心する。



































「リサです...。」











かと言って遭難した私。











やはり不安で仕方が無い。












友達はきっと無事だろう。











皆で先についているであろう。












私は死ぬかもしれなかった













彼にまずお礼を言うべきだ。
































「あの...ありがとうございます...」



















そう言うと彼はにこっと笑って





















『ぜんっぜん!無事で良かった!』















『雪が止むまでゆっくりしてって?』































彼を見ていると不思議な気持ちになる













安心だろうか
















それから2人でココアを飲みながら

いろんな話をした。
















山登りにきて1人だけはぐれたこと











1人で本当に死ぬと思ったこと















そして













夢の話




































『僕、夢があったんだ。』







「どんな夢?」







『歌って踊るのが仕事の人。』







「アーティストさんか。」






『なれなかったけどね 笑』





「絶対絶対向いてると思うけどなぁ。」






『本当?』






「ほんと。」








『なら来世では絶対絶対なる。』









「来世か〜。」










『なるから見つけてね。約束。』








「来世でも会えたらいいな。」









『ふふっ。会えるよ。きっと。』



























































外を見ると、雪はやんでいた。















『......やんだみたい、だね。』

























貴方はどうして












そんな切ない笑顔で笑うの?











































『いいかい?』












『絶対に僕の名前を忘れないで』



































「 貴方はとても素敵な人だから、

忘れるわけないでしょう?」





























そう言うと、また笑った

































「貴方も私を忘れないで。」



































『絶対に忘れないよ。』





































『だから約束して。』




























『ここから出たら迷わず』























『必ず真っ直ぐ10歩歩いて。』



























『10歩進むまでは』








































『絶対に振り返ったらダメだよ。』





















『絶対に。』



























『約束できる?』






































「分かった。」




































彼の瞳に吸い込まれそうだった。






























『またきっと会えるから。』


















































































1歩











2歩











3歩











4歩











5歩












6歩











7歩











9歩






























10歩



































































ゆっくり後ろを振り返る















































何もなくなっていた。




















白い雪に包まれたかのように




















なにもかもが消えていた
















































































" △山で16歳の少女が遭難したそうです "


" 保護されたときはまだ意識はあったもの


『キムテヒョン』と


何者かの名前を何回も呼び


つい先程、息を引き取られました。"


" 警察は、彼女と何か関係があるのか


『キムテヒョン』について調べています。

















































" 先程ニュースでお伝えしました、


『キムテヒョン』は


十二年前、同じ△山で遭難し、


亡くなられた、当時16歳の男性


ということがわかりました。"


















" 以上、今日のニュースでした "



















































































































『僕、前世で言われた気がするんです』

















『君はアーティストに向いてるよって。』















【もーまたテヒョンの四次元発動〜ㅋㅋ】


























『BLACKPINKのリサちゃんにそっくり
で、名前も同じなんだ。びっくり。』


























































































































「すみません、BLACKPINKのリサです
挨拶に来ました。」












ガチャ


























『リサ............』














































『また会えたね、リサ!!』
















































キムテヒョン。

























「また、会えたね!!」



























































END