「こんなに泣いてる吉岡を置いていけないよ。」
「お願いだから行って。いま1人になりたいの。」
好きだった渡辺くんの優しさがこんなに辛いなんて知らなかった。
別の人が好きなのに
今日告白をするのに
私に期待を持たせないで欲しい…。
私がその場から走り出そうとすると、パシッと腕を掴まれて、
「…無理だよ。だって俺が告白したい子は目の前にいるんだから。」
振り向いた私と目線の高さを合わせるように屈んで、渡辺くんはそう言った。
「え?」
告白したい子って…
目の前にいるって…
え?!
私の頭が一気にパニックになって真っ白になる。


