今日から中学校の春崎瑠好。瑠好と書いて、るいと読む、滅多にいない名前。
そんな瑠好はビシッと制服を来て朝ごはんを口に運んでいる真っ最中。
もぐもぐと口を動かし、ゴックンと飲み込み、手を合わせ、
「ごちそうさま!!」
と勢い良く言い、カバンを持って玄関へ行った。
そんな瑠好を母は温かく見守っていた。
「行ってきます!!」
瑠好は玄関のドアをあける。開けた途端、風がスカートを揺らす。
あぁ、春だ。と実感する瑠好。
「いってらっしゃい」
そんな瑠好の姿を母は嬉しそうに見ていた。



ぱたん━━━━

そしてドアが閉まる。
一歩、一歩、歩く度学校は近くなり、緊張感が押し寄せて来た。
瑠好の心臓はドクンドクンと脈を打つ。