「笑い事じゃないんだから、たまちゃん~。あの人一応お客さんだよ? っていうか、お客さんじゃなくても大問題だよ~」
「あはは、ごめんごめん」
呆れた顔でたまちゃんを見れば、全く悪びれた様子もなくクッキーをムシャムシャと食べていた。
相談する相手を間違えただろうか……そう思って、項垂れていると。
「でも、羨ましいなぁ」
聞こえてきたのは、のんびりとしたたまちゃんの声。
え? と思って顔を上げると、ふふっと笑いながら庭を見ていたたまちゃんが視線だけ私に向けた。
「あ、ごめんね。不謹慎な事言って。でもね、本心なの」
「羨ましいって、この状況が?」
「そう。だって、私には恋をする相手もチャンスもないし。そんな少女漫画みたいなドキドキする事件とは無縁だもん」
「――」
「毎日同じ部屋で起きて、両親とパンを焼いて、顔見知りの近所の人と喋って一日が終わる。変わり映えのしない単調な毎日だよ? そんな日々に新しい刺激なんてないよ。だから、いろんな事で悩んでる志穂ちゃんが、ちょっと羨ましい」
その言葉に、何も言えなくなった。
なんて言っていいか分からなかった。
「あはは、ごめんごめん」
呆れた顔でたまちゃんを見れば、全く悪びれた様子もなくクッキーをムシャムシャと食べていた。
相談する相手を間違えただろうか……そう思って、項垂れていると。
「でも、羨ましいなぁ」
聞こえてきたのは、のんびりとしたたまちゃんの声。
え? と思って顔を上げると、ふふっと笑いながら庭を見ていたたまちゃんが視線だけ私に向けた。
「あ、ごめんね。不謹慎な事言って。でもね、本心なの」
「羨ましいって、この状況が?」
「そう。だって、私には恋をする相手もチャンスもないし。そんな少女漫画みたいなドキドキする事件とは無縁だもん」
「――」
「毎日同じ部屋で起きて、両親とパンを焼いて、顔見知りの近所の人と喋って一日が終わる。変わり映えのしない単調な毎日だよ? そんな日々に新しい刺激なんてないよ。だから、いろんな事で悩んでる志穂ちゃんが、ちょっと羨ましい」
その言葉に、何も言えなくなった。
なんて言っていいか分からなかった。



