守りたい人【完】(番外編完)

変わらない日常が、こんなにも幸せだと思える。

何でもない日々が、こんなにも輝いている。


大好きな人がここにいる。

大好きな人が、隣で笑っている。

それだけで、私はこんなにも幸せ。


いつか朝比奈さんが言っていた。

大切なのは、どこにいるかではなく、誰といるかだって。


今は、その言葉の意味が理解できる。

本当だね。

大好きな人と一緒にいれば、何もないこの町も世界で一番素敵な町になる。


「あ、せや。近所から団子もろたんやった」

「わぁ、美味しそう~」

「腹減ったし食うか」

「ちょ! せーので食べようや」

「ふふ、鍛冶君案外可愛いところあるよね」

「ちょ、志穂ちゃん、もう一回言って!」


暖かな日差しの中、桜の木の下に笑顔が咲く。

キラキラと輝いて、胸が温かくなる。



「「「「せーのっ!」」」」