誰もいなくなった食堂で1人佇む。

それでも、ぶつけようのない怒りが泉のように湧き上がってきて、その場で地団太を踏んだ。


一体何なの!?

何で、そんな事あの人に言われなきゃいけないの!?

っていうか、何様なの!?


大声でそう叫びたいけど、できるわけもなくその場で悶えながら怒りを抑え込む。

脳裏には、あの見下したような朝比奈さんの顔が浮かんで更にイライラが増した。


っていうか、どんだけ性格悪いの!?

いくら『お客さん』だからって、ほぼ初対面の人に普通あそこまで言える?

いや、言えないでしょ!?


あ~も~っと地団太を踏みながら、怒りをぶつける。

それでも、あの時あの人に言い返せなかったのには理由がある。

それは、全部図星だったから。

あの人の言っていた言葉、全部丸々私が思っていた事だから。


それを全部見透かされたようで、恥ずかしかった。

悔しくて、恥ずかしくて、何も言えなかった。

そして、それが更に悔しかった。


「何なのよ、もう!」


バンっと机を叩いて、キッチンに向かい食器をガチャガチャと片付ける。

あんな男とこれから一緒だなんて、お先真っ暗だ、と思いながら。