胸の奥がポカポカと温かくなる。

緩む頬のまま3人に駆け寄った。


「お疲れ様~。パン持ってきたの。食べる?」


3人の輪の中に入って、手に持っていたパンを差し出す。

すると、3人とも目を輝かせて我先にとパンパンに入った袋に手を突っ込んだ。


「俺、メロンパンも~らい」

「たまちゃん家のメロンパン、すっごく美味しいんですよ」

「俺は、ウィンナーのパン」

「なんや、朝比奈さんがウィンナーとか言うと、やらしいわぁ」

「ウィンナーのどこがやらしい」

「あ、やった! メロンパンもう一個見っけ」


よほど、お腹が空いていたのか手に取るや否や、もぐもぐと口に入れて、みんな幸せそうに頬を緩めた。

その表情を見て、私まで嬉しくなる。


「志穂ちゃん、頬っぺたについてるよ」

「え、うそ、どこ」

「ちょ、動かんとき。俺が取ってやるさかい」

「これだろ。ほら、取れたぞ」

「ちょ、ほんま、朝比奈さん、いいとこばっか持っていくのやめて!」

「あ、たまちゃんも一緒に食べようよ。もうお昼でしょ?」