「いいな、たまちゃんは。羨ましい」
「え~どこが? 私は志穂ちゃんが羨ましい」
「え、どこが?」
志穂ちゃんは昔から、自己評価が低かった。
自分の魅力の1つも理解していない。
まぁ、そこがまた可愛いんだけどね。
「志穂ちゃん、私のパン食べていいよ」
「え、やった! たまちゃん家のパン美味しいんだよね」
「これ新作なの」
「本当? わ! 美味しい! あ、たまちゃん私のお弁当食べていいよ」
「え、いいの?」
「今日たまちゃんの好きな野菜の肉巻き入ってるよ」
「食べる食べる!」
ちなみに私の趣味は食べる事。
食べている時が一番幸せ。
それが顔にも出ているのか、何かを食べている時の顔を見て、志穂ちゃんはいつも『美味しそうに食べるね』と言って笑った。



