「少しダイエットしようかな」


お昼の時間になって、いつものように志穂ちゃんと学校の中庭でお弁当を広げる。

と言っても、私は昨日の売れ残りのパン。

実家がパン屋という事もあって、家にはパンが言葉通り腐るほどある。


たまには、おにぎりも食べたいけど、破棄するのは勿体ないから毎日お弁当はパンと決まっている。

まぁ、別にパン好きだからいいんだけど……。


「どうして?」


口に運んでいたパンを置いた私を見て、志穂ちゃんが私の顔を覗き込んでくる。

ふわふわと揺れる髪から、ほんのり甘いシャンプーの匂いがした。


「最近太ったの」

「そう? 私は気づかなかったけどな」

「志穂ちゃんとは毎日いるからだよ~。花の女子高生になったのに、彼氏すらできないんだよ」

「彼氏かぁ~。でも、たまちゃん別に痩せる必要ないと思うけどなぁ」


そう言って、首を傾げる志穂ちゃん。

まぁ、確かに標準体重だけど、志穂ちゃんみたいに細くなりたかった。

Sサイズの服とか着てみたかった。