「お、志穂ちゃん。見てみぃ、虹や」 「え? どこです?」 「ここ、ここ。俺が水巻いてるホースの先や」 ホースを高らかと上げると、そのしぶきの間に虹が現れた。 真っ青な空に、小さな虹が現れる。 それを見た志穂ちゃんが、嬉しそうに頬を緩めた。 「凄い! 綺麗ですね~」 「頑張った、ご褒美やな」 「ふふ、本当ですね」 真っ白な肌を持ち上げて、志穂ちゃんが柔らかく微笑む。 その表情は、あの日の彼女とは別人のように穏やかだった。 まるで重たい荷物を下ろした後のように。