◇
「ただいま~」
誰もいない真っ暗な部屋に響く自分の声。
彼女がいるかと思ったけど、おらへんかった。
あぁ、そういいえば出張前に別れたんやった。
ボーっとする頭で、荷物を適当に放り投げてソファに倒れこむ。
反動のまま天井を見上げて、細く息を吐いた。
どうにもこうにも、あの子の姿が頭から離れんかった。
あの儚い横顔が、瞼を閉じても思い浮かんだ。
どうして、あんなに辛そうなんやろか。
何が、あの子をそんなに追い詰めてるんやろか。
どんな声で話すんやろか。
どんな顔で笑うんやろか。
どんな風に怒って、どんな風に泣くんやろか。



